まず、ぜつえんさんとは
プロフィールより抜粋→「北海道在住でキャンプ、登山、写真撮影、釣り、自転車ツーリングなどのアウトドアをしながら生きている遊び人です。」
ものすごいアウトドア知識の持ち主。SNSで拝見する限りでは年がら年中アウトドアをされていて、ハイクオリティな遊びをされています。以下インタビュー内容きっと参考になると思います。
Q アウトドアのどういうところに魅力を感じていますか?
A パックラフト以外に登山やキャンプなども楽しんでいます。山や森や川の中を人力で進んでいく達成感と、緩やかな移動で変わっていく自然の美しさが大きな魅力です。人工物の少ない自然を全身で感じられるのが病みつきになってしまいました。お気に入りのアウトドア道具を使って遊ぶのも大好きです。
Q 最近パックラフトを使って遊びに行かれた場所やルートなどの詳細を教えて頂いていいですか?
A 北海道の白老岳から流れだし、伊達市大滝を通る長流(おさる)川を下りました。三階滝川との合流点から下り始めると前半は小さな瀬が出てくる程度で簡単です。温泉街に差し掛かると浅瀬でグリーンタフや柱状節理が作り出す美しい景勝地の中を下ることができます。そして景色を見てる間に渓相が激しくなって瀬や落ち込みが次々に現れます。美しい景色と流れの変化が楽しめ、近くには温泉が多いのも魅力の川でした。
Q 通常パックラフトで出掛ける際の携帯アイテムリストを教えて頂いていいでしょうか?また携帯品は目的地やルートにより異なると思いますが、どのように調整されていますか?
A PFD・ヘルメット・リバーナイフ・ネオプレングローブ・スローロープ・防水バッグに入れたエマージェンシーセットと濡れても良い服装と沢靴が基本装備です。一人で川に行くときもスローロープがあると係留したり、崖斜面を突破できるため重宝します。川でも海でも釣り道具を持っていくのが好きです。よく川下り中の支流を釣り上がっていきます。川下りの危険度が低ければ焚き火道具やハンモックなどの遊べる小物を持っていくことも多いです。ポーテージや瀬の激しい場所では持ち物を減らす調整をしています。
Q インスタグラムで山の中の清流で遊んでおられるのをお見掛けしますが、北海道の自然は本州と比べてどのような違いがありますか?
A 北海道は雪に覆われた時期が多く、気温や水温が低いため水遊びをしやすい期間が限られるのが厳しい土地です。定番なポイント以外は人の手が入ってないことも多く、ネットで情報も得られないため自分で現地を見にいくのに手間が大きいです。パックラフトで下る川の情報もほとんどありません。自分だけの遊び方を見つけやすい反面、本州以上に遊ぶ経験とスキルが求められると感じてます。道内全域に生息しているヒグマのリスクも常に晒されています。
Q 釣りがお好きなようにお見受けしますが、いつもパックラフトで釣りに行かれますか?特別な釣りのテクニックや経験を教えて頂いていいですか?
A 渓流や海にパックラフトで釣りに行っています。まだ釣りの技術が未熟なので針が刺さってパンクするリスクを減らすため出来るだけ少ない道具、シンプルな釣り具を心掛けてます。パックラフトには自作した木のテーブルにロッドホルダーと魚群探知機を付けたら快適になりました。MRSバイキングはベイラー穴が大きく魚群探知機の振動子を出せるのがありがたいです。海で大物が掛かった時にパックラフトごとぐいぐい引っ張られてしまった時にはさすがに慌ててしまいました。
Q アウトドアに携帯する食べ物や飲み物に関して、工夫されていることや好みはありますか?
A 飲み水が重いので、軽量化のため川の水を飲んでいます。しかし生水をそのまま飲むとキタキツネを媒介とした寄生虫エキノコックスに感染する恐れがあるため携帯浄水器が必須のアイテムです。休まず遊び続ける性格なので休憩を取れるように少し手間をかけて食事を取るようにしています。バーナーや焚き火を起こして温かいものを食べてしっかり休憩を取っています。火を起こすと心も体も暖かくなります。
Q パドリングで最も重要なテクニックは何だと思いますか?
A 腕や上半身の力だけではなく、全身を使ってパドルを漕ぐことを意識しています。初めの頃は力で漕いでいましたが、疲れやすく長続きしなかったので力を抜いて体で漕ぐようしています。水上では出来るだけ体力と精神的に余裕を持てるように頑張りすぎないパドリングを心掛けています。疲れてくるとパドリングが雑になってしまいますし、アクシデントに対応する余力は常に残しておくべきでしょう。
Q ソロキャンプをされることも多いようですが、ソロキャンプの魅力は何でしょうか?また一人でも安全にアウトドアをするために、どのような工夫をされていますか?
A 大自然を独り占め出来るのがソロキャンプの魅力だと思います。喋る相手もいないのでいつもより時間が長く感じられるのが心地良いです。一人だとトラブルや忘れ物で困った時に人に頼ることが出来ないため、念入りな準備、下調べと自分の限界を知っておくことが大事です。常に余力を持って無理のない行動を意識しています。
Q パックラフト愛好家としてMRSに求めるものは何ですか?
A 独創的な製品の開発を期待しています。大きめサイズのパックラフトが多い印象でゆったりと乗りやすく静水で速いのが好きですが、川下り用に小さめで小回りの利きやすいスポーティなモデルがあるといいなと思っています。
Q 新しくパックラフトを始められる方に参考になるように、下記のご質問にもお答えいただければありがたいです。
a. いつもご利用頂いてるのはどのモデルですか?
A MRS Viking SelfBailerに乗っています。
b. どういう理由(目的)でMRSのモデルを選ばれましたか?他に気になったモデルはございますか?選択の過程で困ったことはありましたか?
A 川下りをメインに使えるモデルが欲しくてセルフベイラーを探していました。Viking SelfBailerはフラップの付いた大きなベイラーの穴、他にない真っ黒でカッコイイカラーリングとガンガン使えるタフな生地、標準装備のスケグに惹かれて選びました。身長161cmの私には大きいかもしれないのに悩みました。スプレーデッキモデルにも興味があり、MicroraftやAllgator2Sとも悩みました。
c. 実際にそのモデル使ってみて、魅力的に感じている点は何でしょうか?
A スケグと全長と穴に付いたフラップで直進性が非常に高いのが魅力的ですね。直進性も影響してると思いますが、川下りでも連続するような瀬の安定した突破力が素晴らしいです。フロアクッションとフットレストを調整すれば低身長でも乗りやすいもありがたい仕様でした。自分の使い方にマッチしたモデルでVikingを選んでよかったと思っています。
d. また、実際にそのモデル使ってみて、気を付けるべきと思われる点は何でしょうか?
A 全長が長いため少し小回りが効きにくく、川の狭い場所を通過するときやポーテージ時にぶつかりやすいです。黒は炎天下で中の空気が膨張しやすく、休憩時は少し空気を抜いて木陰に置いておくと安心です。フロアクッションのバルブが膝を間辺りにきて乗り降りの際に足がぶつかりやすく破損に繋がりそうで注意しています。